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2012年2月23日 (木)

器バトル ミーハーでどこがわるい。 

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日曜日・・・・


どこかに行きたいが、遠出をする気にもなれず、


よくよく考え、


何年も前から、存在を知っていた 

(が、なかなか足が向かなかった)


となり町のcafeに行く事にした。



隣町 (田舎)だから、あまり期待していなかったのだ・・・・・




そこで、バトった


今も、私の心に、少々小波がたっている。







そのカフェは、器のギャラリー併設。


というか、ギャラリーが先で、

カフェは後からできた。



10年以上前から車でその店の前を通っていて

ちょっと気にはなっていたのだが


なにしろ、田舎のお店。 


(たいしたことないだろ~)


駐車場もどこだかわからないし、と

いつもスルーしていたのだ。



どうして、そこへ、突然 『 行こう! 』と、

思いついたのか・・・

我ながら、わからない。





まずは、カフェの駐車場に車を止めて、

先に 器の店 見せていただきますね~』

と、声をかけ、

器屋に、向かったが、

その時のワタクシには、

再びそのカフェに戻ってくるのが、3時間後になるとは

思ってもみなかった。






店に入ると、

店主のおやじが

若いご夫婦相手に、海外に買い付けにいった話を

等々と語っていた。



あぁ、わかりました。

ここは、そういうお店ですね。






今までの経験上、

親父がひとりでやっているお店は

要注意なのだ。



特に、趣味に関する店はかなり注意が必要。




古くは、JAZZ喫茶の親父 から

骨董品屋の親父

家具屋の親父、

同じく陶器屋の親父


様々な親父の店に行ってきたが、

こういった親父の店は、


親父マイルール。親父の世界。



親父の独断場。

親父しか、物事を語ることは許されない。



親父の気に入らなければ、相手にされない。


そんな店が多いのだ。

(もちろん、全てがそうではない)





もう、ワタクシは一応さっさと、陶器を見て、

早くカフェに行こうと思っていたのだが、


『ふっ』と、ある皿が目に入った。



そして、そのとなりに置いてあった器たちに

ついつい

『うそ~~~~~』と、歓声をあげてしまった。




店の人に聞いてみたいが、

親父は、海外旅行の話を語るのに一生懸命で

『いらっしゃいませ』も言えないくらい

忙しそうだ。




でも、

ワタクシは、質問した。


『すみません~~。これって、I 山さんですよね??』



どう見ても I山さんの器だが、今は人気で

どこのお店にいっても、

こんなに並んでいるところは

みたことがないので、


まさか、うちの隣町にあるとは、

夢にも思わなかったのだ。




おやじは『そうだ』と答えてくれたが、

まだ海外の話に一生懸命であった


が、


先の客は、私たちが入ってきたので、

いいチャンスとばかりに、そそくさと帰っていった。



(おやじは少々、

 話を中断されてか?ムッとしたように感じられたが)


とうとう私に話しかけてきた。




『 I山さんのは、よく雑貨屋さんで扱ってるね~

 うちもカフェをやるので、カフェ用の食器を頼んだから

 置いてあるんですよ~』



雑貨屋??

 雑貨屋でI山さんの器扱ってる??)




私は、少々頭の中が混乱しつつも、

ワタクシに向かって、話し出したおやじの話に

耳を傾けた。



でも、会話はキャッチボールのようには

続かない。




ワタクシがいくら、感想を話したり、

質問をしても、



おやじは、どうしても、



どんなにうちの店はすごいか。

 どんなに自分は目利きか。

 どんなに自分は器が好きか
。 )



そんな風な内容の返事が返ってきてしまうからだ。




ワタクシは、でも大人しく聞いていた。

でも、だんだん聞いていくうちに、黙っておれなくなった。




例えば、

『I山さんがこんなにあるなんて、すご~~い

 I山さん、なかなか買えないのに』



というと、

『うちは、作家の名前で買っていく客はひとりもいない。』


という。


じゃあ、私は、客じゃないのかよ!!



そして、

I山さんの器は、使っているうちに、貫入が入って

 汚くなる。底も黒い汚れがつく』 という。


(器に貫入が入るのは当たり前ではないか)と、

聞くと、




うちの器は、汚い貫入は、入らない。


 うちのお客さんが、10年使った器をもってきて、

 こんな貫入はいって汚くなったって、

 よく、怒られたので、

 随分、勉強させてもらった。

 お客様に育てられた。


 まぁ、見ただけで、私は、その器に


 貫入が入るか、

 入らないかわかるね。


 貫入が入らない器もある。

 最近は、作ってるほうも、わかってない。


 貫入入るってわかってて売ってればいいが、

 売るほうもなんにも判っちゃいない』



と、自分の自慢になるのだ。



ワタクシは、
おいおいおい、じゃあ、

なんで、 I山さんの器売ってるのさ。

と、思いつつ



『それが、いいんです。

 それが、味だって思う客だっているんです


というが、返事はなし。






『I山さんのは、雑貨屋さんの、N椿も売ってるね。』



えっ、N椿は雑貨屋ではありませんが・・・




と聞くと、親父は、

『雑貨屋だという。』



T居は、器屋だそうな。



2店とも、今の器ブームを支える

都内超有名 陶器店ではありませんか。。。






あぁ、あぁ、そういうことですか。。。。


他の器のお店でも、その区別は聞いたことある。





今、雑誌やマスコミで、大人気の作家モノは

器のお店の人から見れば、

『クラフト』 というジャンルに分類されることは。



昔ながらの茶道具なども作ったりする

硬派な職人は、『工藝』である。






要は、おやじは、

ワタクシも含め 

クラフトは器でなく、雑貨。

雑貨好きは、マスコミに踊らされているだけで

本当に良いものをしらないのだと、暗に言っている。





自分のうちは、マスコミに持ち上げられてるだけで、

ものが売れるクラフトではなく、

たしかな技の工藝ばかり扱っているのだ


と、言いたいのである。





ほっとけばいいのに、

言わせておけばいいのに・・・・



ちょっと、ワタクシは、おやじの暴言

(私には暴言に思えたよ) に カチン となってしまった。





でも、私は、クラフトで充分。

 そんな重厚な器を置いたら、

 今の生活、浮いちゃって。


 やっぱり、部屋に飾ってかわいい器を買いたいし』



というと、おやじは、


本物を置けば、違います。

 本物は、溶け込むし、まわりの空気も違って見える。』


という。



『そうですかね・・・

 お茶の先生のところで、浜田庄司の水差しや

 お皿を見せていただきましたが、

 全然、今の生活にあうとは、思いませんでしたがね・・』


と、私が返すと、



『僕もお茶をやってるし、

 友達で、浜田庄司の皿を普段使いしてるやつがいる。

 浜田庄司を普段に使っているんですよ』


と、関係ないほうに、持って行く。




そして、だんだん、おやじは

どっちがいい、悪いじゃないけどと、前置きしながら、

クラフト系の悪口に走っていった。






大人気木工作家

M谷さんのことは、作家でなく、

デザイナーだという。



なんでも、M谷さん自ら彫っているのではない。

デザインだけだ。


職人さんが一生懸命彫っているはずなのに、

作品が出回らないのは、おかしい。

作為を感じるという。


更には、M谷さんの家具なんて、

うちの町に工場があるという。





実際、見たわけじゃあるまいし

どこまで本当かわからないが、


でも、みんな夢を買ってる部分もある。




好きなものの悪口を言われて、

気持ちよくなる客はいないよ、おやじ。


私は客だよ。
と思いつつも、




ここは、おやじの店だった。


おやじの店は、どこでも、

商売より、

自分が語りたいことを語るために店をやっているのであった




大金を使う客でも、

おやじにたてつく客は、歓迎されないことが多いのだ。





でも、M谷さんまでは、まだよかった。

聞き流せた。




そのうち、おやじは、


『わたしは、漆器が一番好きで、漆器にはうるさい



と、始ってしまった。


(別におやじの好き嫌いは、聞いてはいないのだが)




そうなると、次の標的は、A木さん。

Aさんの悪口は聞き逃せないよ。




おやじがいうには、


Aさんの塗りは最悪


 使っている材料も悪い。


 500円くらいで買った木地を塗って、

 1万数千円の値段を

 つけている  』 と言う。



どこまで、ほんとかは、わからないが、



私は、その時、ぷちっと、きた。




私の好きなAさんのお皿は、

 奥様がフランスで買ってきた昔の木皿を

 写して作っている、

 Aさんオリジナル。Aさんにしかできない皿だ。


 
 更には、私は、Aさんの皿でなければ、

 漆器は欲しいと思わなかった。



 そうでしょう!!

 Aさんがいなかったら、今の若い人、


 誰が、漆器を欲しいと思う!!


 漆器が廃れていくばかりでしょう』



と、力説してしまった。




おやじは、


『それはそうだけど、


 たしかに若い人に漆器を広めたのは、Aだけど、


 私は、どうしても、あの塗りは許せない。

 あんな塗りでは、すぐに剥がれてしまう。

 漆器があんなに弱いものだと、誤解されたくない』



と、おやじ個人的な意見になった。



おやじが許そうが、許せまいが、そんなの関係ない。

しったこっちゃない!!


 

人の大事なこころを踏みつけやがって、と、



私の気迫が通じたのだろうか、

おやじは、少し、

ワタクシよりになっていった。



(とうか、ワタクシのようなバカには、

 もう何をいっても無駄だとおもったのであろう






『そうそう~、このかごだけど、

 私が頼んで作ってもらったんだけど、

 M谷さんの奥さんの本に取り上げられてね~。


 ファンだってひとが、
 この間、わざわざ遠くから買いに来たよ。

 本にもうちの名前が載ったよ。』 と、



いきなり、軟派な話にもっていった。




おやじよ・・・・・

さっきと、話は逆ではないか




要は、自分は、自分の店はすごいって、

いいたいんだね。


言わせたいんだね。

そして、おやじは、

『展示会の案内、送るから、住所を書いて。

 猿山の品も並ぶよ』



と、ミーハー路線で攻めてきた





やった!ワタクシは認められたのだ。

こいつには、何をいっても、無駄だと。

本当にいいものが判らん、バカだと。





でも、


『こっちの会場なら、昔から使っている漆器があるから、

 長い間、漆器を使っているとどうなるか、

 よく説明してあげられるからね~』と、



あくまでも、ワタクシに、

本物たる漆器を認めさせたいらしいのだ。







ワタクシは、

おやじの態度に、二度と来るものか!と思い、


カッとなったが故に、

思わず言いたい放題言い放ってしまった。



そのことが、返って、リラックス効果を生んでしまった。


結構、その店に馴染んでしまった。




だから、その展示会にも行って見るつもり。




でも、喰うか、喰われるかだ


おやじも、ワタクシに工藝を認めさせたい。

ワタクシも、おやじにクラフトを認めさせたい。



絶対に、これから先も、飲まれてはならないのだ。






追記



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ちょっと、ダメージを受けて、カフェに帰ってきた。


カフェは多分、奥さんがやっているのだろう。

『遅くってすみません』と、謝ると、

奥さんが、『こちらこそ、すみませんね~』と、

多分、だんなの話好きを謝ってくださった。



古い家を改装した、小さなカフェで、

急な古い木の階段を上がって、席に着くも、

ワタクシの気は晴れなかった。



実は、

親父のボディブローがじわじわと効いてきて

落ち込んでいた。




私の大事にしてた、M谷さん。

A木さんが~~~~






がっくりうなだれる私に、二人のやり取りを

大体黙って聞いていただんなであったが、


Aさんの器を表現するのに、

 最高の材料じゃあ、表現できないだけ。


 簡単な塗りでないと、

 Aさんの表現にならないんじゃないの



と、だんなが一言。







はっ、そうだ!!

Aさんの本にも書いてあった。

Aさんは、伝統工芸品を作りたいわけじゃない

ぴかぴか、立派な輪島塗を塗りたいわけじゃない。


廃寺で雨に打たれていた、昔の漆器を見て

あの形を写したい。

あれがAさんの形だと、決意した時のことを。




そうだ、そうだ!

Aさんの塗りは悪いんじゃない。

そういう表現なんだ。


私は、ぴかぴか重厚な漆が欲しいんじゃない。




何をうちひしがれていたのだ。

顔をあげよ。

ワタクシ!!




センスよ、センス。

昔ながらのものしか、認められない頭の固さよ。


気にしちゃいけない。

Aさんのは、そういうスタイルなのよ。


うん。うん。




しかし、驚いた。

まさか、だんながそんな助言をしてくれるとは。

5年ぶりくらいに感心した。



(でも、それをなぜ、おやじの前で言わなかったのだ。)


更には、だんなは、

『ひとつのことに詳しい人と知り合っておくと、

 色々と教えてもらえていいんじゃない』とも言った。



まぁ、それもそうだ。

ミーハーやるのでも、

知識を持った上でやれば、文句ないだろう。











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カフェにもちょっと器が飾ってあり、

帰りに買う気もなく、見ていたら、



やられた~~~~~



ずっと、欲しいと思っていた

I畑さんの器だった。




飲み口も良くて、今一番のお気に入り。

手放せない。



以前、I畑さんの個展をしたんだと。



おやじやるな!



(でも、私がI畑さんの器を知ったのは、

 Aさんの奥さんの本だけどね)




ミーハーと硬派。

気が合う部分もあるのでしょう・・・・・・

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コメント

はじめまして
いつも楽しく拝見させていただいています。
にゃにゃさんのこだわりっぷり、尊敬します。
多分、 *からはじまるお店でしょうか?私もこんな田舎になぜと思うような作家の器があって、驚いた記憶があります。
こだわりのある物を扱っているお店って、店主が難しいこと多いですよね。
お客が欲しくても、売ってくれなかったり、どこで、店主の琴線に触れるかわからなかっったりと。。
いいお店もありますが、欲しい物がちょっとうちは、違いますみたいなお店にあると、行きにくくなりますよね。
にゃにゃさん、負けずにがんばってください!

投稿: nano | 2012年2月23日 (木) 18時00分

nanoさん、こんばんわ。はじめまして。
コメントありがとうございます。

誠にすみませんが、
nanoさんが、お書きになられたお店のイニシャル 
*字にさせて頂きました。
なぜって・・・
どんぴしゃりだからです。

とってもびっくりしました。
nanoさんは、お近くにお住まいなのでしょうか?
そうでなければ、あの場所に、変わった器のお店があるなんて、気がつきませんよね・・??

まぁ、*の人も悪い人ではないのでしょうが、
私のような、『一言いってやる』って、
人間でなければ、ちょっと居心地悪いかもしれませんね。
でも、多分、私はまた行くと思いますが・・(笑)

nanoさんの驚いた作家さんは、誰なのでしょうか?
とても興味があります~

投稿: にゃにゃ | 2012年2月23日 (木) 21時20分

こんにちは
すみません(゚m゚*)
よくルールがわかっていなくて。
にゃにゃさんのお住まいのところからそう遠くないと思います。
記事に親近感があるのと、にゃにゃさんのセンスのよさに惹かれて、拝見していました。
お店は、お店の同市に住んでいるお友達から、聞いて知りました。
いつも、ネットで器を買っていたので、田舎にメジャーな作家が置いてあって、びっくりしました。
にゃにゃさんと同じ作家さんだと思います。
にゃにゃさんほどの知識ずあれば、ご主人とも渡り合えますね!
私は、面倒くさそうなので、一度行ったきりで、行けません。

投稿: | 2012年2月24日 (金) 10時27分

nanoさん、お返事ありがとうございます~~

ルール??なんのことだろう??

こっちこそ、イニシャル*字にしちゃって
ごめんなさいね

本文を書いていて、私って、やっぱ、
すごいミーハーだなぁ~と、自分を振り返りました。
でも、クラフトには、こんないいところがある!
変わらない器なんて、つまんない!

と、改めて、自分の好みも確認しました。

(nanoさんから、お褒め頂きましたが)
知識はあんまりなく、心細いですが、

好きなものは、好きだという気持ちで
対抗したいと思います。

と、いっても、気力が溢れている時でないと、
あんまり行きたくないかも知れませんね~

nanoさん、よかったら、また遊びに来てくださいね。

投稿: にゃにゃ | 2012年2月24日 (金) 12時24分

こんにちは
名前を書き忘れてしまいすみません。
具体的なことは、書いちゃいけないルールなのかなと(゚▽゚*)
ありがとうございます。
記事を楽しみにしています!

投稿: nano | 2012年2月25日 (土) 11時02分

nanoさん、こんにちわ。
今日は寒いですね~

具体的なこと、もちろん書いてもいいのですよ。
でも、今回は一応、お店を絶賛しているわけじゃないしね・・・

私の保身です。

今後ともよろしく~~

投稿: にゃにゃ | 2012年2月25日 (土) 12時52分

若い人が突然漆器にはまることはそうそうないのだから、伝統的でないものでも興味を持ってもらえるようになったら、それはそれで、その作家さんのおかげですよね。
それが、伝統的な漆器に興味を持つきっかけになるでしょうし。
にゃにゃさんの旦那さんは、実は肝心な大事なことをちゃんと分かってるんですね~。
ちょっとかっこいいなと思いました♪

投稿: AKI | 2012年3月14日 (水) 00時03分

そうだ!そうだ~!
AKIさんの言うとおりだ!

いくらいいモノでも、好きにならないと、
人は欲しがりませんよね~

だんなの言うことには、私も久しぶりにハッとしたけど、
それを、オヤジの前で言って欲しかったというのは、
望みすぎかな?

でも、あれ以来、眺めることの多かった
Aさんのお皿を
なるべく使うようになりました。
これは、オヤジのお陰かな・・?

投稿: にゃにゃ | 2012年3月14日 (水) 19時15分

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